大型犬の交配・出産は簡単ではありません。
大型犬ですから交配も大変です。発情期を迎えたメスがいると、オスは凄まじいほど興奮し、落ち着きがなくなり、命令もなかなか聞かなく、そのため、力ずくで相手をしなければなりません。
更に受胎した後のメスの健康管理も行わなければならず、栄養価の高い食事を与えなければなりません。
大型犬は多数の子犬を出産しますので(犬種・血統により異なりますが)、その後のミルク代・食事代・予防ワクチン代と、とにかく費用がかかります。
そして更に生まれた子犬の飼い主を捜さなければなりません。
これが出来ない為、処分されたり、処分に苦しんで捨てたりされています。
現に、ホワイトシェパードという、まだまだ数が多くない犬種の野良犬を保護しに東日本まで行ったことがあるのです。
ホワイトシェパードは数が少ないので、どこの血統であるかおおよその判断ができます。
やはり保護した地域の犬舎(子犬に発現した特徴がはっきりとしており)から出ている血統を繁殖犬として、一般の方が繁殖(もしくは勝手に交尾して)されたのであろうと予想がつきます。
交配をお考えの方は、必ず後々のことまで考えて交配をおこなわれて下さい。
それにはかなりの覚悟が必要かと思います。
繁殖を行う前に診察を
「愛犬の子供が欲しい。」そう願っていらっしゃる方は結構いらっしゃいます。
それで発情が来たからといって、交配可能な時期に台雌の診察をせず交配依頼をされます。
私達の所では確実に動物病院で寄生虫(体外・体内)の有無・健康状態の確認をしていただきます。
そのため、病気を持ち込むようなことはまだ起こっておりませんが、実際それで相当苦労された同犬種の犬舎さんもいらっしゃいます。
1頭の台雌が「ケンネルコッフ」「回虫」「コクシジウム」を持ち込み、そのため繁殖犬を含めたすべての子達に感染してしまったのです。
実はその台雌は別の犬舎さんでも同じように病原体を運んでしまっていたのです。
更に出産後の子犬の健康状態も悪く、ガリガリの栄養失調のまま育ち、その子犬もまた母子感染しており、回虫・コクシジウム駆除も行われないまま販売されていた事があったのです。
繁殖者の無知によって、交配依頼を受けた犬舎、さらには購入された飼育者まで、迷惑をかけてしまう場合があるのです。
ですから、必ず発情期前に台雌の健康状態を確認して、交配をおこなって下さい。
生まれてきた子犬に対しても迷惑をかけることになりますので。
受胎後の管理
受胎した台雌の栄養に気を配り食事を与えます。
ただ栄養価の高いパピーなどのドライフードを与えただけでは、未熟児として生まれすぐに死んでしまうこともあります。
おそらく思われている以上の栄養価を与えなければならないかと思います。
母犬に与えるフードによって、生まれてきた子犬の成長にも影響を与えます。
しっかりと回数も増やし、適度な運動を行いながら出産の準備をして下さい。
私達はドライフードだけに頼らず、消化によい食事を与えて管理しておりますが、今のところ一頭も死んだことがないので、もし私達の種雄との交配を望まれていらっしゃる方は、詳しく食事内容をお教え致しますので、同じように与えられると宜しいかと思います。
出産
出産を迎える場合、まず出産場所を用意してあげます。生まれてくる子犬は体温調整する機能が備わっておりませんので、
初めて出産させる方は、室内で出産させると良いでしょう。
基本的に大型犬は難産ではありませんが、ブルドッグといった犬種は、帝王切開しなければならないほど、難産な犬種もいますので、よく調べてから望まれて下さい。
また、子犬の面倒を見ない母犬。踏みつぶしたり殺してしまう母犬などがいます。
そういった場合、ミルクを用意して数時間毎に与えるなどをしなければなりません。かなり大変ですし、その様な場合の対応も考えて出産に望んで下さい。
出産中、なかなか次を出産しない母犬もいます。母犬の体力がなく、万が一帝王切開しなければならない事も考えられます。また、飼い主に対して【依存】している母犬(一般家庭で育った子は特に多い傾向があります)は、飼い主を頼ってなかなか出産しなかったり、生んでも、子犬の面倒を見なかったりする子もいます。
その時は、アルコール・ハサミ・糸を用意して、準備をされていたほうが宜しいかと思います。
ホワイトシェパードと出産
ホワイトシェパードは安産です。
私達の所では子供の面倒を見ない。子供を殺してしまうなどといったケースは一度も経験したことがありませんが、時々色々な方と話をしていると、「そういったことがある」と、驚いてしまっています。無理もありません、まだそのような事は一度も経験したことがないからなのです。
そういったことはどうして起こるのか・・・・実は「刷り込み」の影響だと考えています。
具体的な例は都合上記載できませんが、それほど「刷り込み」という時期の過ごし方はとても重要なのです。
実は1頭の台雌だけ私に依存してしまっている子がいます。私が溺愛している子で、育て方を間違ってしまった子です。
この子は私がいると、出産しません。それでこの子の時は私が立ち会わないようにしております。生まれてから呼んで貰い、そして適切な処置をしなければならないときは、私がやるようにしています。そして私が出産させている部屋から出て行き、その後次の子を出産するといった感じでおこなっております。
ある程度の依存性は和らげることができますが、出産時は多少不安(犬の声が聞こえたりしますし)になるようで、私を頼ってくるわけです。
何度も経験しなければ出産は大変です。ですので初めて出産させる方は、必ず豊富な出産経験のある方に連絡しながら、出産させたほうが宜しいかと思います。
比較的簡単に済ませる子もいれば、なかなか出産が終わらない子もいます。
ですから色々な経験が必要です。
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