間違った上下関係
飼い主に対してマウンティングする
犬同士が力の差を見せつける行為であるマウンティングは、愛犬から下位に見られている人に対しても【自分が上】だと主張する為に行う行為です。
オス・メスといった性別に関係なく行います。下位の者がいれば常に見せる行為ではなく、主に興奮時に見せる行為です。
例えば家族間で、お父さんにその様な行為はせず、子供さん・お母さんに対して、愛犬がマウンティングをおこなっていたとしたら、それは子供さん・お母さんが自分(愛犬)よりも下位の立場として認識してしまっています。
マウンティングされている方が散歩させる時、必ず愛犬から引っ張られ、まったく命令を無視するのではないでしょうか?
「でも座れとか、ちゃんと命令に従うよ!」そう反論されるかもしれません。
もしかすると、おやつや食事を与えながら「座れ」や「待て」といった命令を覚えさせていませんでしたか?
お腹が空いて、または美味しいおやつを貰う時、愛犬は喜びます。貰えると解っているので、その時にだけ素早く命令を聞けば、すぐに目的の物を貰うことができると認識し、それを繰り返し行うことによって、「座れ」=「貰える」と覚え、「座れ」をすると、何か貰えると思い、期待しながら「座れ」の命令に従っているだけなのでしょう。
この様な時、上位と下位の立場は関係ありません。犬は喜びを感じて形式的には従っているように見えて、本当は自分よりも下の立場にしか思っていないのです。
座っていると寄りかかってくる
大型犬が寄り添ってきたとき体重が重いので、もしかすると場所を譲っていませんか?
場所を譲るたび、また寄り添ってくるので場所を譲って・・・。この繰り返しになっている方はいませんか?
リーダー犬のお気に入りの場所(部屋)に他の犬が近づいてくると、「ウゥー!」と低いうなり声をあげ、「ここは自分の場所だ!近づくな!」そう主張します。
弱い立場の犬が寝そべっていて、上位の立場の犬が近づくと、耳を塞ぎ低い姿勢で目を合わせようとせず、その場所を上位の犬に譲る光景を見かけます。
ですから、部屋の中に数頭入れると、ベッドやソファーといった少々高くて居心地の良い場所には、上位の立場の犬が占領したりすることも見かけます。
皆さん、居心地の良いソファーに座り、TVなどを観て過ごしている時に、愛犬がソファーの上に乗り、そして前脚や頭を膝の上に載せてきたりして、場所を譲ると追いかけるようにまた頭を載せてきたり・・・。
このような行動も飼い主が下にみられている証拠です。
他にも嫌がる部位を触っていると愛犬が歯をむき出しにしたり怒り出したりすることや、飼い主に自分の肩をぶつけてきたり、子供さんが横になっていると、じゃれてきたり・・・と、色々な行動によって自分の立場を主張しています。
これらは甘えているのではなく、「自分の方が立場が上だ!」と主張する為にとっている行動です。
つまり、そのような行動を取ることに見覚えのある方は、「自分の飼い主である」と愛犬に認められていない証拠なのです。
このままでは本物の信頼関係を作り上げていくことは不可能なのです。
普段は優しくても良いのです。
例えば、誰か遊びに来られたり、配達員さんが荷物を持って来られた時、愛犬が吠えています。しかもずっと激しく吠えかかっています。
そこでどのように注意していますか?
「●●ちゃん、ダメじゃない、吠えたらダメ♪」・・・・これでは効果がまったくありません。
これが群れで生活している犬の場合、リーダーが吠えるのを止めても、吠え続けている犬がいると、リーダーはすぐにその犬の元へ駆け寄り、そして鼻梁から下あごにかけて、くわえ込んだり、それでも吠える時は顔・首を噛みつきにいきます。
最初は「ウゥ~!」だったうなり声が「ガルルルルゥ」に変わります。「ガルルルゥ」と発した時は、すでに噛みついています。
このように「自分(リーダー)が吠えていないのに、どうしてお前が吠えるんだ!」ということを伝えているのです。
犬同士では人間が見ると激しく注意しているのです。
さて、「●●ちゃん、ダメじゃない、吠えたらダメ♪」・・・・これで果たして大丈夫でしょうか?
本当に上位の立場として認めている場合、飼い主が注意すると、時間もかからず静かになります。
注意してもずっと吠えている場合、残念ながらまだまだ飼い主として認められていないのです。
その様な時、どのように注意すればよいかというと、
吠えたとたん、鼻梁から下あごを包むように、つまりマズルの部位を手で軽く握り、落ち着いた低い声で、「静かに」「ダメ」と注意します。これを数回行えば、次第と吠えなくなります。マズルを軽く掴んだ時点で、「ヒーンヒーン」と泣くようであればあなたの立場は上として認めています。
それでも吠える犬は・・・誠に残念ながら、かなり下に見られています・・・。
その様な時は、吠えるということに対してではなく、自分(飼い主)の地位を上げるための行動をとります。
愛犬が吠えた瞬間、足や手を床や壁に打ち付け、大きく激しい音を立てます。それに加え、「低い声で注意します」
女性の方や子供さんは「低い声」「大きく激しい音」ができないかもしれません。ですが、新聞紙や段ボールを丸めた物を使って、壁や床をしっかりと叩けば、かなりの音がでます。そしてしっかりと目を見ます。
これは決して体罰ではありません。
それをくり返すことにより、
「普段はとっても優しいけれど、先に吠えたりしたら怒られる」・・・つまり愛犬があなたの立場を自分よりも上位であると、しっかり認識するようになります。
そうやって次第にあなたに対して一目置くようになるのです。
そうすると、散歩中いくら注意してもあんなに引っ張っていた子が、急に引っ張らなくなったりするのです。
「この人はただ者ではない」と。
以下のことを常に思って付き合ってください。
「お前(愛犬)のことは、私が守ってあげるよ」
また、吠えたり飼い主よりも前に出たがるとき、
「どうして私が吠えていないのに(私よりも前に)立場が下のお前が先に吠えるんだ!(前に出るんだ)」と。
愛犬は飼い主の行動・仕草・声・表情を読み取ります。つまり飼い主の心を読み取るのです。
このような気持ちで接することにより、自分が立場は上であることを認識させ、しっかりとした上下関係を築き上げます。
ただ、本当に注意する時だけですよ、普段はたっぷり愛情を持って接して下さいね。
ホワイトシェパードの群れと私
ホワイトシェパードの群れは、しっかりとした上下関係が出来ており、その上に私達がいます。
ご見学にお越しになった方を見て、私達の子達は吠えます。「ワンワンワン」これは私達を呼ぶ為(正確には私を呼ぶ為)に吠えるのですが、その吠え方を見ると、「誰か来たぞ!集まれ!」とう意味を持つ吠え方です。警戒しているといった吠え方ではないのはご覧になるとお解りの通り、歯をむき出しにして吠えていません。尾を強く振り歓迎しているのです。
その後、柵の中に入られると吠える声がなくなりますし、吠えたとしても甘えの入った要求吠えと変わります。
更に一斉に体を寄せてきたり、顔や手を舐めに向かっていきます。
皆さん、集まってくる子達が大きな体をしていますので、相当驚かれていると感じています。
ぴったりと寄り添い、体をなで回して欲しくて仕方ないのです・・・。甘えん坊なのです。
ですが、その大きな声に驚かれ、いきなり一斉に集まりますので、初めて大型犬を間近でご覧になる方は相当勇気がいるかと思います。
ですが、どうぞご安心下さい。それがこの子達の愛情表現なのです。この子達は喜びを体いっぱい使って表現しているのです。
現に、1頭の子を優しくかわいがっていると、自分を撫でて欲しいとその間に入り込んだりしてきます。
さらにはあまりにもやきもちを焼いて、力ずくでその場所を奪い取ろうとする子もいます。
こういった子達にする為にも、飼い主と愛犬の上下関係はしっかりと築いておかなければなりません。
私がこのように一番上の立場にいるかというと、常に犬が用いるボディーランゲージで、この子達に接しているからなのです。
「この子ちょっとナメているな・・。」と思うと、その子の後ろについてマウンティングのような格好で、腰を何度も膝で挟みます。
挟んで外して挟んで外して・・・、他にも低い声で唸ったり、マズルを掴んだり・・・・・・。そうしているうちにこのような子になったのです。
犬の取る行動の意味と人間の行動の意味が全く正反対の事が多いのです。
例えば、人が注意する時、知らず知らずに大きく高いなるでしょう?(逆にドスの効いた声になる方もいますが、そのような声を聞くと人間でも・・・。)犬が怒った時(攻撃的な怒り方、不安が伴う攻撃を意味する場合は低く高くをくり返します)の声って、低く唸るのです。犬が高い声をあげている時は悲鳴なのです。悲鳴=弱いということです。
このように飼い主が知らず知らず自分の地位を下にしているのです。
上下関係ができていると嫌なことも我慢するように努力していることが解るようになります。そんな時は優しく褒めてあげて下さいね。
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